朝礼のあがり症を克服!練習で悪化した私が心理療法で激変した体験談

朝礼のあがり症を克服!練習で悪化した私が心理療法で激変した体験談

職場の朝礼の司会で声が震え、練習すればするほど悪化する「あがり症の地獄」にいたM.Nさん。電話応対すら怖くなり、自己評価はどん底。5歳の我が子に「お父さん、怖い顔してる」と言われるほど心身ともに追い詰められていました。そんな彼が専門的な心理療法と出会い、劇的な変化を遂げます。180度違う自分に驚き、体育館裏でガッツポーズを叫んだ、あがり症克服と「生き方の転換」を綴った感動の記録です。


朝礼の司会ができなくなり、手足が震えだした

朝礼で司会をする男性

4月に人事異動して、新しい部署では朝礼で職員が当番で司会をして、冊子「職場の教養」を読むことになっていました 。

自分の当番になったときに、読めるかなと思っていたけれど、どうもうまく読めませんでした 。

次の当番のとき、今度はうまく読めるだろうと思っていましたが、そのときもうまく読めませんでした 。前回よりも悪くなっていました 。手足が震えて、声も震えだしました 。

2週間後の次の当番になると、頭が真っ白になって言葉が出てこなくなりました 。どんどんドツボにはまっていくような感じでした 。

そこで、夜に自宅で、誰もいないときに冊子「職場の教養」をコピーしたものを何べんも暗記するぐらいに読んでいました 。

しかし、本番になって司会者の場に立ってみると頭が真っ白になっていました 。

練習すればするほどあがり症がひどくなることを実感しました 。

また、冊子「職場の教養」を読めないことで自分に自信がなくなりました 。

職場の同僚からも「仕事ができない人間」という評価を受けていたと思います 。

「あいつはなんだ?」という感じです 。

自分の自分に対する評価もかなり下がっていました 。

電話の呼び出し音に恐怖を感じるようになった

電話にでることに恐怖を感じる男性

そうすると、仕事で電話がかかってきたときに普通にとればよいのですが、自己評価が低くなっていたのでうまくとれなくなってきました 。ぎこちないのです 。

電話すらうまくとれなくなって、ますます自己評価が下がるという悪循環になっていました 。

しまいには電話の呼び出し音に恐怖を感じるようになりました 。

「電話をとりたくない」

「また失敗するかもしれない」

そんな気持ちでいっぱいでした 。

周りの同僚は私のそのような状態に気づいていたと思います 。

あるとき、職場に私と上司の2人しかいないときがありました 。

そのとき電話が鳴ったのです 。

その状況でも私は電話をとりませんでした(笑) 。

部下である私が電話をとるべきでしたが、かたくなにとりませんでした(笑) 。

もしもそのとき私が電話をとったならば、きっと、声が裏返ったり、ガタガタしたりしていたことでしょう 。

5歳の我が子に「お父さん、怖い顔してる」と言われた

自宅で緊張している男性

当時、頭の中では「当番がまた2週間後にまわってくる。明日も電話をとらなくてはいけない」ということばかり考えていました 。いつもそのことが頭の中を占領していて、プライベートな時間はあってないような感じでした 。

仕事が終わって自宅に帰っても落ち着くことはありませんでした 。とても辛かったですね 。

私のそのような状態は子供に気づかれました 。

仕事の後に、5歳の子供を保育園に迎えに行ったとき、

「お父さんは恐い顔をしているね」と言ったのです 。

たぶん私は憂うつな顔をしていたのでしょう 。

以上が1カ月半ぐらい前までのことです 。

本やDVD教材も買ってみたけれど…

DVD教材で学習する男性

実は田中先生のところに来る前に、ネットで調べて●●さんの本を買って勉強しました 。あがり症を治す本です 。

スカイプで●●さんのトレーニングも受けました 。人があがる仕組みを教えていただいたことを覚えています 。

◎◎式の話し方のDVD教材も買いました 。

1回観たのですが、途中で止めてしまいました 。

自分には合わないと思ったからです 。

今振り返ると、この2つは全く効果はなかったとは言いませんが、私にとっては、田中先生のところに最初から来た方が一番の近道だったなと思います 。

朝礼当番が回ってきた・・・ スラスラと読めた!

ガッツポーズをする男性

この2つの後、ネットでいろいろと検索して田中先生のところに行きつきました 。

ウェブサイトに掲載されているクライエントさんたちの体験談を読んで、本当の話だと思いました 。

苦しい毎日だったし、藁をもつかむ思いだったので、申し込む決断は早かったです 。

心理セラピーが始まってみると、2回目のセッションの後に、また当番が回ってきたのですが、そのときスラスラと読めたのです!

今までにない自分、180度違う自分、2週間前とは全く違う自分を職場の同僚に見せられたのです! それとはとても気持ちが良かったです 。

「生きててよかった!」と生きた心地がしました 。

今まで死んでいた自分に、水を与えてもらったような、そんな感じでした 。

当番が無事に終わった後、職場の敷地内に体育館があるのですが、その裏に行って、「ヤッター!」と叫んでガッツポーズをしました 。

そして田中先生に電話して、うまくいったことを連絡しました 。

午前9時ごろだったと思います 。

生き方が変わってきた

電話をしている男性

私のこれまでの人生を振り返ってみると、私はこれまでいろんなことを「やらされて」いました 。

仕事もやらされているし、「職場の教養」も読まされている 。

受け身だったのです 。

けれども今回のあがり症を克服する体験を通して、

「やりたい」「やらなければならない」というように考えるようになりました 。

生き方が変わってきたのです 。

また気持ちが不安定なところが安定してきました 。

高いレベルで一定してきたように思います 。

右肩上がりであがってきて、どこまで上がるかなと楽しみにしています 。

さらに、今まで見えなかったものが見えてきたような気がするし、周りの声が良く聞こえるようになりました 。

以前は自分のことでいっぱいいっぱいで視野が狭くなっていたのだと思います 。

今は周りがしていることがよく見えています 。電話を受けてもよく聞こえなかったのが、今はよく聞こえて相手の名前をすぐに記憶できて、メモをスラスラととれるようになりました 。

子供がくっついてくる

私のこのような良い変化に周りも気づいていると思います 。

保育園の子供は前よりもくっついてきますし、一緒に寝ようとしてきます 。

子どもなりに私の変化を感じているのでしょう 。

いいことばかりです 。

あがり症で苦しんでいる人にアドバイス

以前の私と同じようにあがり症で苦しんでいる人には、

「急には変われないかもしれないけれど、今の自分をしっかり見つめながら、自分のスタイルに合ったセラピーを受けて、それに真剣に取り組んでいけば、必ず道は開ける」

と言ってあげたいです 。

あがり症を克服すると、今まで感じなかったことを感じられるようになります 。

それを五感で感じてほしいです 。

たぶん以前の私のように、何も感じることができていないはずです 。

視野が狭くなっています。ほとんど聞こえていません 。

人間としての機能が10点満点の2点ぐらいしか働いていないはずです 。それでもいっぱいいっぱいの感じでしょう 。

実際のところ10点満点の人はいないと思いますが、メンテナンスをしていけば次第に点数があがっていって、7点~8点ぐらいのところまでは行けると思います 。

(40代男性 M.Nさん)


あがり症解消セラピストからコメント

あがり症解消セラピスト 田中耕一郎

あがり症解消セラピスト 田中耕一郎

M.N.さん、非常に詳細で情熱に満ちた体験談を共有してくださり、本当にありがとうございます。読み進めるうちに、M.N.さんが当時抱えていた、胸が締め付けられるような緊張感と、それを突破した瞬間の鮮やかな解放感が手に取るように伝わってきました。

心理療法家の視点から、M.N.さんが経験された「あがり症の地獄」から「人生のパラダイムシフト」へのプロセスについて分析・コメントいたします。

なぜ「練習すればするほど」悪化したのか?

M.N.さんは自宅で猛練習をされましたが、逆効果になったと仰っています。これはあがり症の人によく見られる「予期不安と過剰制御」というメカニズムです。

人は「失敗してはいけない」と強く思うほど、脳の扁桃体(不安を司る部位)が過敏になります。そして、練習を「完璧に暗記すること」に向けると、本番で一文字でも詰まった瞬間に、脳は「想定外の事態=命の危険」と判断し、一気にパニック(頭が真っ白)を引き起こします。

このメカニズムに関して、Wegner, D. M. (1994)は「緊張してはいけない」と強く意識(抑制)するほど、脳のモニター機能が「緊張」を検索し続けてしまい、結果として余計に緊張を増幅させてしまう「皮肉なプロセス理論」を提唱しています。

森田療法の開発者である森田正馬(1928)は、「精神交互作用」という概念で、不安に注意を向ければ向けるほど感覚が過敏になり、さらに不安が強まる悪循環を説明しています。

なぜ視野狭窄と「機能低下」が起きるのか?

現代のトラウマ治療や心理療法の世界に革命をもたらした、アメリカの著名な神経科学者であり心理学者であるPorges, S. W. (2011)によれば、猛烈な恐怖に晒されると、人間は「社会的関わりシステム」がシャットダウンし、「不動化(凍りつき反応)」の状態に入り、このとき中耳の筋肉が緩んで人の声が聞き取りにくくなり、視野も狭くなると述べています。

受動から能動への変化

自己決定理論の提唱者であるDeci, E. L., & Ryan, R. M. (2000)は、人間は自律性(能動性)を感じているときほど、メンタルヘルスが安定し、高いパフォーマンスを発揮することを示しています。

セラピーによって不安の「支配」から脱し、自分の意志を取り戻したM.N.さんの変化は、心理学的に最も健康な回復の形と言えるでしょう。

心理療法が有効だった理由

M.N.さんのケースにおいて、一般的な「話し方教室(ハウツー)」が効かず、心理療法(深層へのアプローチ)が有効だったのは、「不安を練習で抑え込もうとする努力(上位脳の暴走)」をやめ、「神経系の安全(下位脳の安定)」を取り戻したからです。

M.N.さんの「ヤッター!」というガッツポーズは、脳と神経系が「脅威」から「安全」へと劇的に切り替わった生物学的な勝利の象徴と言えるでしょう。

参考・出典URL

Wegner, D. M. (1994). Ironic processes of mental control. Psychological Review, 101(1), 34–52.
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2F0033-295X.101.1.34

森田正馬『神経質の本態と療法』白揚社(1928)

Porges, S. W. (2011). The Polyvagal Theory: Neurophysiological Foundations of Emotions, Attachment, Communication, and Self-regulation. Norton & Company.
ステファン・W・ポージェス『ポリヴェーガル理論入門』春秋社(2018)
https://www.shunjusha.co.jp/book/b490438.html


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